スポーツ選手はB型ウィルス感染のハイリスクグループか?
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.15 Vol.15】
スポーツ時のウイルス感染の可能性を推測する目的で,トップレベルの競技スポーツ選手658人(男性402人,女性256人)を対象に,HBV関連抗原抗体を測定し,HBVキャリアー率,HBV既感染率を検討した.その結果,HBVキャリアーは,658人中4人(0.61%),HBV既感染者は658人中32人(4.86%)に認められた.HBV既感染率を献血のために供血した10,131人(男性6,646人,女性3,485人)のHBs抗体陽性率(5.69%)と年代別に比較検討したところ,両群問に有意な差を認めなかった.また,スポーツ種目を試合中や練習中に,他の競技者と接触する機会が多いコンタクトスポーツと非コンタクトスポーツに分け,両者の間でHBV既感染率を比較検討したところ,HBV既感染率に有意な差を認めなかった.
以上のことから,スポーツ時にHBVの感染が成立する可能性は低いことが示唆されたが,感染の可能性がないわけではなく,試合中,練習中の出血を伴うケガの処置(傷口を完全に覆う)には十分注意を払う必要があると思われる.
「デサントスポーツ科学」第15巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
以上のことから,スポーツ時にHBVの感染が成立する可能性は低いことが示唆されたが,感染の可能性がないわけではなく,試合中,練習中の出血を伴うケガの処置(傷口を完全に覆う)には十分注意を払う必要があると思われる.
「デサントスポーツ科学」第15巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 小松祐, 川原貴, 白鳥康史, 高橋盛男, 山下武志 |
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大学・機関名 | 東京大学 |
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