信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 筋の退行性変化に対する運動の抑制と加齢の影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.19 Vol.19

 若年(4ヶ月齢),中年(10ヶ月齢),老年(20ヶ月齢)ラットに後肢懸垂を実施し,活動制限による骨格筋の萎縮に対するアイソメトリック筋運動の影響を検討した.いずれの加齢段階においても,後肢懸垂によりヒラメ筋の最大張力は,70-76%低下した.この張力低下は,筋線維断面積の減少(55-61%)や筋線維の変性によって生じることが示された.後肢懸垂期間中に,1日30分間の等尺性荷重負荷を行うことにより,後肢懸垂によるヒラメ筋の張力低下は抑制されたが,その効果は,加齢に伴い低下する傾向がみられた.若年期では,筋線維横断面積と筋張力に対する荷重負荷の抑制効果は同程度であったが,中年,老年期では,筋線維横断面積の減少抑制から荷重負荷による筋張力減少抑制を説明することはできなかった.したがって,筋線維の萎縮抑制以外の要因に対する運動効果の違いにより,荷重負荷による張力低下抑制の加齢差がみられたと考えられた.

「デサントスポーツ科学」第19巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 山内秀樹,米本恭三
大学・機関名 東京慈恵会医科大学

キーワード

後肢懸垂活動制限骨格筋の萎縮ヒラメ筋