信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 高気圧環境下における気管支喘息児に対する運動負荷時の呼吸機能変化(人工気象室を用いて)

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.19 Vol.19

 近年スキューバダイビング人口の増加にともない気管支喘息患者もダイビングをする機会が増えてきた.そこで,加圧環境下での生体反応について呼吸機能の側面から運動負荷を加えてどう変化するかを検討した.気管支喘息患者を人工気象室に入室させ,気温,湿度一定で水深3m(1.3気圧)まで加圧し,自転車エルゴメーターによる固定運動負荷をかけ,呼吸機能を測定した.別日,同一条件で圧変化を行わず同様の負荷テストを行った.症例が少なく統計学的検定は行えなかったが,加圧条件で呼吸機能の低下傾向がみられた.ダイビングと喘息について文献的考察から,個々に徹底した指導下で予防薬の投与などを行い慎重に対処すれば,ダイビングも可能と考えられる.しかし,喘息とダイビングに関しまだ結論は出ていないため,今後各方面からの基礎研究を続け,それらを統合し喘息患者でも安全なダイビングができる環境をつくることが望まれる.

「デサントスポーツ科学」第19巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 富川盛光*1,斉藤博久*1,赤澤晃*1,松田秀一*2
大学・機関名 *1 国立小児病院,*2 東京慈恵会医科大学

キーワード

気管支喘息患者加圧環境下