信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 骨密度の縦断的長期変化に影響を及ぼす要因から見た骨粗鬆症の予防法に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.20 Vol.20

 骨粗鬆症予防法の一貫として,骨密度の縦断的長期変化に影響を及ぼす要因について検討した.
 その結果は,以下のとおりであった.
 ・骨密度の個人別縦断的長期変化は,集団による横断的変化と多少異なっていた.
 ・女性の長期に亘る個人別骨密度測定時平均年齢と個人別骨密度低下直線回帰係数には,高い有意な相関関係(R²=0.7478, p<0.001)が認められた.
 ・女性の骨密度の平均年間低下率の低い(%F/Y<1)群は高い(%F/Y≧1)群よりも,年齢が有意(p<0.01)に低く,骨密度が有意(p<0.05)に高かった.
 ・男女共に,(%F/Y<1)群は(%F/Y≧1)群よりもp<0.001〜0.05で体脂肪率(%fat)が有意に低く,TP(総蛋白),CT(カルシトニン),一日当りの歩数とCa摂取量が有意に高く,睡眠時間が有意に長かった.
 以上のことから,骨粗鬆症の予防のためには,定期的な骨密度測定によるデータを長期に亘って蓄積すると共に,運動,栄養,休養等に関する生活習慣をより豊かにする努力の必要性が示唆された.とくに女性は,加齢と共に骨密度が低下しやすくなるため,若い時からの努力が大切であることが理解された.

「デサントスポーツ科学」第20巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 碓井外幸*1,中田勉*2,勝木保夫*1,勝木建一*1,勝木道夫*1
大学・機関名 *1 北陸体力科学研究所,*2 リハビリテーション加賀八幡温泉病院

キーワード

骨粗鬆症骨密度歩数Ca摂取量睡眠時間