信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 高齢者における筋力および持久的トレーニングの併用が下肢の筋機能と骨構造に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.21 Vol.21

 本研究は,虚弱高齢者を対象に8週間にわたる低強度の筋力および持久的トレーニングを行わせ,下肢の筋機能と音響的骨強度に及ぼす影響について検討した.被検者は本研究の運動プログラムを遂行できると判断できた特別養護老人ホームに居住する虚弱高齢男女13名(男性2名,女性11名)とした.トレーニングはウォーミングアップ,クーリングダウンを含み約60分とし週に1〜2回の頻度(1日は監視下,1日は各自)で8週間継続させた.内容は徒手,伸縮性チューブ,テニスボールを用いた低強度の筋力トレーニング(股関節伸展/屈曲運動,膝関節伸展/屈曲運動,足関節底屈/背屈運動,椅子立ち上がり,ステッピング)を座位・立位姿勢にて6〜8種目を2〜3セット行わせた.持久的トレーニングは休息を入れた約20分間のウォーキング(通常,最大,ジグザグ,踏み越え歩行)とした.8週間のトレーニング後に膝関節および足関節の可動域,踵骨の超音波骨評価値には変化は認められなかった.下肢筋機能について,8週間のトレーニング後に椅座位反応時間は16.4%短縮し(p<0.05),30秒ステッピングは58.4%増大し(p<0.05),Up and goテストは17.4%短縮した(p<0.01).以上のことから,短期間の低強度の筋力と持久的トレーニングは虚弱高齢者の下肢の筋機能を改善する可能性を示した.

「デサントスポーツ科学」第21巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 中谷敏昭*1,伊藤稔*2,大内勝夫*1,灘本雅一*3
大学・機関名 *1 天理大学,*2 京都大学,*3 大阪教育大学

キーワード

高齢者持久的トレーニング下肢の筋音響的骨強度特別養護老人ホーム