信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動開始前に過ごす明るさが超最大運動でのエネルギー供給機構に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.22 Vol.22

 本研究は超最大運動前に明るい環境(5000lux)と暗い環境(50lux)に暴露した際に作業成績とエネルギー供給,特にプリンヌクレオチドサイクルと解糖系からのエネルギー供給に及ぼす影響について検討した.男子陸上長距離選手8名を対象に90分間にわたって5000luxと50luxの光環境に暴露した後,45秒間の超最大自転車駆動作業を500luxの照度にて行わせ,作業中の仕事率,両光環境暴露前後,及び運動後の血中乳酸,グルコース,アンモニア,アドレナリン,ノルアドレナリン濃度を測定した.運動前に明るい環境と暗い環境で過ごした後の自転車運動での仕事率に有意差は認められなかった.運動前の明るい環境と暗い環境への暴露は超最大運動での血中アンモニア濃度に影響を与えなかった.運動前に暗い環境で過ごすと明るい環境で過ごした時に比べて運動直後の血糖値は有意に高い値が認められた.運動前の明るい環境と暗い環境への暴露は超最大運動での血中乳酸濃度に影響を与えなかった.以上の結果から明るい光刺激は超最大運動での仕事率やプリンヌクレオチドサイクル系のエネルギー供給に影響しないが,糖代謝に影響することが明らかとなった.

「デサントスポーツ科学」第22巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 大桑哲男*1,穐丸武臣*2
大学・機関名 *1 名古屋工業大学,*2 名古屋市立大学

キーワード

超最大運動光環境暴露仕事率