信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 骨密度に及ぼす運動と遺伝的素因の相互作用

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.23 Vol.23

 ビタミンD受容体(VDR)遺伝子の翻訳開始部位に存在する多型(Fok I)に着目し,運動トレーニングに対する骨応答に及ぼすVDR遺伝子型の影響を検討した.重量負荷型運動トレーニングを行なっている競技者の全身骨密度をVDR遺伝子型の一致する対照群と比較した場合の差異はFF型やFf型の保有者間でのみ認められ,ff型保有者ではVDR遺伝子型群と対照群との間に有意差はなかった.一方,非重量負荷型運動と考えられる競泳選手の全身骨密度はFF型においてのみ対照群よりも低かった.これらの結果は,重量負荷型運動競技者の全身骨密度の個体差にVDR遺伝子型(Fok I)が関わっており,FF型は高骨密度と関連する遺伝的素因ではなく,重量負荷の増減に対する感受性が高い遺伝子型であることを示唆していると考えられた.

「デサントスポーツ科学」第23巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 徳山薫平,石井朝夫,野村武男
大学・機関名 筑波大学

キーワード

ビタミンD受容体(VDR)重量負荷型運動トレーニング骨密度