信州大学 繊維学部技術データベース

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PDF 虚弱高齢者の自立生活に必要な身体機能水準の設定

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.24 Vol.24

 高齢者の在宅での自立生活に必要な身体機能水準について,新体力テスト,生活体力および1日歩行数の多方面からの評価を行い,各測定項目の維持目標値を設定した.在宅で自立した日常生活を送っている女性27名を自立群,老人保健施設に入所中の寝たきり高齢者を除く虚弱高齢者の女性24名を非自立群とし,ロジスティック回帰分析および判別分析の手法を用い,比較検討した.その結果,高齢者の自立には,年齢補正しても握力,Kraus-Weber test,手腕作業能力および1日歩行数の4項目が関与しており,握力は16.1kg以上,Kraus-Weber testは20.4以上,手腕作業能力は50.4秒以下,1日歩行数は4,542歩以上がその維持目標値として設定された.また,自立群と非自立群を判別する点は,長座体前屈が5.8cm,開眼片足立ちが35.2秒,10m障害物歩行が14.5秒,6分間歩行が363.0m,ファンクショナル・リーチが23.7cm,起居能力が15.0秒,身辺作業能力が16.7秒であった.これら,高齢者が在宅での自立生活に必要な身体機能水準の設定は,身体機能低下の程度の把握や運動訓練の目標設定およびフィードバックなどにも応用できる可能性が示唆された.

「デサントスポーツ科学」第24巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 石原一成*1,藤本繁夫*2,田中繁宏*3,三村達也*4,西本勝夫*5
大学・機関名 *1 福岡県立大学,*2 大阪市立大学大学院,*3 武庫川女子大学,*4 大阪市立大学大学院,*5 大阪物療専門学校

キーワード

高齢者自立生活身体機能