信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 陸上競技長距離走者の競技成績とミトコンドリアDNAの遺伝子多型との関連性 -ATP8/6, Cytochrome b遺伝子およびD‐LoopのSNPs-

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.24 Vol.24

 本研究は,優れた持久性能力に関連する遺伝子多型を明らかにすることを目的とした.被験者は,競技種目および競技成績より,Elite Runner群(ER群,n=31),Non-elite Runner群(NER群,n=108),Other Athlete群(OA群,n=43)および対照群(CON群,n=112)に分類し,全員よりinformed consentを得た.陸上競技者のミトコンドリアDNAのATP8/6遺伝子,cytochrome b遺伝子,およびD-loopにおける塩基配列を決定し,競技成績との関連を解析した.
 確認された遺伝子多型の中で,ER群で出現頻度が高い非同義置換として,Mt8794C→T(His90Tyr)が見つかった.この一塩基多型(SNPs)は,エリートランナーで出現頻度が有意に高いと同時に,このSNPsを含むHaplogroupにはランナーが有意に多く分布することが判った.これらの知見から,Mt8794C→T(His90Tyr)が優れた持久性能力と関連していると考えられた.

「デサントスポーツ科学」第24巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 武安岳史*1,佐藤祐造*2,押田芳治*2,山澤裕文*3,田中雅嗣*4
大学・機関名 *1 名古屋大学大学院,*2 名古屋大学,*3 丸紅東京本社診療所,*4 岐阜県国際バイオ研究所

キーワード

持久性能力遺伝子多型ミトコンドリアDNA