信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF スポーツに起因する下顎骨骨折様式に及ぼす親知らずの影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.25 Vol.25

 本研究では過去において治療を行ったスポーツによって受傷した下顎骨骨折症例について臨床的に検討を行い,下顎埋伏智歯(親知らず)の存在が下顎角部骨折に対していかなる影響を及ぼしているのかを検討した.その結果,スポーツ外傷症例は他の受傷症例と同様に,埋伏智歯を保有する下顎角部での骨折頻度は有意に高く,とくに近心に傾斜し根尖が下顎角部方向に向けて萌出する傾向を示す智歯を保有している症例,さらに下顎角部が智歯によって広く占拠されその骨面積が減少している症例において骨折が高い頻度でみられる傾向が観察された.思春期以降の世代での埋伏智歯の保有率は高いため,スポーツに参加しているこれら世代の競技者あるいはその指導者に対してこの歯牙の持つ危険性を周知させることは,スポーツ顔面外傷における下顎骨骨折の発生を抑制する上で有効と判断される.

「デサントスポーツ科学」第25巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 飯田征二*1,木村哲雄*2,吉岡秀郎*3,北村龍二*4,濱田傑*5
大学・機関名 *1 大阪大学歯学部附属病院,*2 大阪警察病院,*3 大阪労災病院,*4 関西労災病院,*5 近畿大学医学部附属病院

キーワード

下顎骨骨折下顎埋伏智歯(親知らず)智歯