信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 筋萎縮に対する運動の抑制効果と熱ショック蛋白質70との関連性

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.25 Vol.25

 本研究では,萎縮進行過程における等尺性抵抗運動が萎縮筋の熱ショック蛋白質(heat shockprotein: HSP)70の発現低下を抑制するか,また,運動の筋萎縮抑制効果とHSP70の発現変化との関係について成熟ラットを用いて検討した.3週間の非荷重により,ヒラメ筋の最大張力と筋原線維蛋白含量は,対照に比べそれぞれ77%,80%低下した.等尺性抵抗運動(1日1回,30分間)は非荷重による最大張力と筋原線維蛋白含量の低下をそれぞれ57%,64%までに軽減した.HSP70の発現レベルは非荷重により53%低下したが,等尺性抵抗運動を負荷した場合では16%の低下であった.以上の結果から,HSP70の発現レベルは荷重条件や筋量により変化し,運動による筋萎縮抑制機序の一端を担うと考えられた.

「デサントスポーツ科学」第25巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 山内秀樹*1,三上俊夫*2,刈谷文彦*3,木村真規*4,宮野佐年*1
大学・機関名 *1 東京慈恵会医科大学,*2 日本医科大学,*3 国際武道大学,*4 共立薬科大学

キーワード

等尺性抵抗運動萎縮筋熱ショック蛋白質筋萎縮抑制