信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動に伴う消化器・免疫病態の解析と予防飲料水の開発

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.25 Vol.25

 激しい運動後には,腹痛,下痢,血便などの消化器病態が誘起されることが多いが,そのメカニズムは不明である.本研究では,過剰な運動負荷によって起こる腸管免疫系の変化と血中コルチゾールとTGF-βの濃度変化を経時的に解析した.マウスを正常群と運動負荷群に分け,運動群にはトレッドミルにて高強度のランニング運動を負荷した.疲労運動負荷後では抗炎症作用を有するコルチゾールやTGF-βの血中濃度が増加した.また,腸管免疫の中心的役割を担うIgA抗体が,小腸や大腸粘膜組織内に著明に増加した.大腸粘膜では負荷6時間後に細胞死が有意に増加したが,他の部位では変化が見られなかった.過剰な運動により腸管粘膜の免疫反応が著しく亢進し,大腸で細胞死を誘起し,種々の腸管病態が生じることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第25巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 井上正康,佐藤英介,朴雅美
大学・機関名 大阪市立大学

キーワード

激しい運動消化器病態腸管免疫系免疫反応