信州大学 繊維学部技術データベース

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PDF 冷却,温熱およびマッサージ刺激が筋・腱の力学的特性に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.25 Vol.25

 本研究の目的は,受動伸張中および等尺性収縮中における外部腱および腱膜の力学的特性を比較し,冷却,温熱およびマッサージ刺激が筋・腱の力学的特性に及ぼす影響を検討することである.13名の被検者を対象に,受動伸張中および等尺性収縮中の筋線維,外部腱および腱膜の伸張量を超音波診断装置を用いて測定した.受動的足背屈に伴い筋・腱ともに伸張したが,腱膜に比べて外部腱の伸張量が大きいことが示された.等尺性収縮中における外部腱の伸張量は,腱膜に比べて有意に大きかった.等尺性最大筋力は,冷却およびマッサージ後に減少したが,温熱刺激後には変化が認められなかった.しかし,冷却,温熱およびマッサージ刺激ともに筋・腱の力学的特性には有意な変化を示さなかった.これらの結果より,実際のスポーツ現場で実施されているアイシング,ホットパックによる温熱および疲労回復を目的としたマッサージでは,筋・腱の力学的特性を変化させないことが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第25巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 久保啓太郎,金久博昭,神崎素樹,村岡哲郎
大学・機関名 東京大学大学院

キーワード

受動伸張中等尺性収縮外部腱腱膜冷却温熱マッサージ刺激