信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 加齢と運動習慣が好中球の生体防御機構に与える影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.26 Vol.26

 本研究の目的は,加齢と運動習慣が好中球の殺菌能の指標であるスーパーオキシド生成能に与える影響を検討することである.被検者には参加の同意が得られた健康な122名の男性(18歳から79歳)を用い,年齢によって6つの世代にグルーピングされた.好中球スーパーオキシド生成能はPMA刺激によるシトクロームC還元法により測定された.18歳から24歳において大学で運動部に所属する者および25歳以上で定期的に運動を行っている者の好中球スーパーオキシド生成能は,同世代の運動習慣のないものと差がなかった.年齢と好中球スーパーオキシド生成能には有意な負の相関関係(-0.219)が認められた.しかしながら,18歳から24歳までの世代のみが他の世代に比較して有意な高値を示し,25歳以上の被検者では年齢と好中球スーパーオキシド生成能に相関関係はなかった.以上の結果から,運動習慣は好中球の殺菌能には影響を与えず,18歳から24歳までの世代は特異的に殺菌能が高いが,25歳以上では加齢による影響がないことが明らかとなった.

「デサントスポーツ科学」第26巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 神林勲*1,藤井博匡*2,内田英二*3,山崎朋子*1,武田秀勝*2
大学・機関名 *1 北海道教育大学,*2 札幌医科大学,*3 大正大学

キーワード

加齢運動習慣好中球殺菌能スーパーオキシド