信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF クレアチン摂取が暑熱環境下における長時間間欠的運動のパフォーマンスに及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.27 Vol.27

 クレアチン(Cr)摂取が,男子大学サッカー選手を対象とした長時間間欠的運動時のパフォーマンスに及ぼす影響を検討した.被験者は二重盲検法によりCr群またはプラセボ(Pla)群に振り分けられ,Cr群はCrを,Pla群はラクトースを1日20g,5日間摂取した.サプリメント摂取期間の前後に,環境温度32.0±0.2℃,相対湿度58.5±1.4%の実験室において,自転車エルゴメータを用いた長時間の高強度間欠的運動を行った.運動は体重の7.5%の負荷(kp)で5秒間の全力ペダリング,25秒の無負荷ペダリング(80rpm),30秒の完全休息を1セットして45セット行うものであった.運動の前後に,採血および体重測定を行った.また,運動中は1セットごとのパワー,直腸温,心拍数,および血中乳酸濃度を測定した.その結果,サプリメントの摂取前後で,体重および長時間間欠的運動時の心拍数,体重減少率,および血中乳酸濃度には両群とも変化がみられなかったが,直腸温はCr群のみ5〜25セット時に有意に低い値を示した.また,パワーはCr群においてのみ,摂取前(741.5±77.2watt)に対して摂取後(763.6±78.8watt)で有意な増加が観察された(p<0.01).結論として,Cr摂取は暑熱環境下における長時間間欠的運動時の体温上昇を抑制するとともに,そのパフォーマンスの発揮に効果的に作用することが明らかになった.

「デサントスポーツ科学」第27巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 石﨑聡之*1,内藤久士*2,形本静夫*2,青木純一郎*2,安松幹展*3
大学・機関名 *1 小山工業高等専門学校,*2 順天堂大学,*3 立教大学

キーワード

クレアチン(Cr)摂取長時間間欠的運動環境温度