信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 中年肥満男性に対するコーチング理論に基づいたメタボリックシンドローム予防・改善プログラムの有効性-情報提供群との比較検討-

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.30 Vol.30

 同一企業に勤務する中年男性の中から,メタボリックシンドロームの該当者および予備群を抽出し,保健指導プログラムに参加する「参加群」と食事と運動に関する資料のみを配付する「情報提供群」の2群に無作為割付けを行った.「参加群」においては,コーチング理論における“5つのステップ”を取り入れた保健指導を隔週で3回(6週間)実施し,各回とも講義を1時間,自体重による筋力トレーニングを中心とした運動実技指導を1時間行った.その結果,参加群では体重,BMI,臍位での腹囲,腹径,超音波法による腹膜前脂肪厚,腹壁皮下脂肪厚が有意に減少し,総コレステロール,中性脂肪,LDLコレステロール,空腹時血糖においては,有意な改善を認めた.一方「情報提供群」では,歩数の増加,空腹時血糖の低下が見られたものの,その他の項目においては変化を認めなかった.以上の結果より,本研究において実施したコーチング理論に基づいた保健指導プログラムは,参加者のカラダづくり・健康づくりに対するモチベーションを喚起し,形態計測値の改善,内臓脂肪の蓄積減少,糖脂質代謝の改善など,メタボリックシンドロームをはじめとする疾病リスクの軽減に寄与することが示された.

「デサントスポーツ科学」第30巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 都竹茂樹*1,梶岡多恵子*2
大学・機関名 *1 高知大学,*2 東京大学大学院

キーワード

メタボリックシンドローム保健指導コーチング理論筋力トレーニング