信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF in situシリカ充てん天然ゴムのスポーツ用素材への可能性試験

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.30 Vol.30

 未架橋天然ゴム(NR)マトリックス中でテトラエトキシシランのゾル-ゲル反応を行うことにより,高含量にin situにシリカを分散性良く生成させ,in situシリカ充てんNRを得ることができた.比較試料として混練カーボンブラック充てんNR,混練シリカ充てんNRを用いて力学物性に評価を行なった.その結果,未架橋の試料比較において,in situシリカ充てん天然ゴムは高い補強性と低いヒステリシスロス,残留ひずみを示した.硫黄架橋したin situシリカ充てんNRは,市販シリカVN-3を混練した硫黄架橋NRより優れた引張物性を示し,かつ,混練加工では達成できないユニークな動摩擦係数を示した.従って,in situシリカ充てんNRは,様々な性能要求が求められるスポーツ用品用ゴム材料として有用であると考えられる.

「デサントスポーツ科学」第30巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 池田裕子
大学・機関名 京都工芸繊維大学

キーワード

天然ゴムゾル-ゲル法(ゾル-ゲル反応)動摩擦係数