信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF コルチゾールとアミラーゼ活性を指標とした局所と全身の温熱的快適性評価

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.30 Vol.30

 本研究の目的は,局所と全身の温熱的快適性の関連性と,ヒトの温熱的快適性評価手法におけるアミラーゼ活性とコルチゾールの有効性について検証することである.12名の日本人若年女子を対象として,全身と局所の皮膚濡れ率を同時に制御して,温熱的快適性の評価と唾液の分析を行った.局所は,体幹,腕,大腿を対象部位とした.その結果,局所の温熱的快適感は,部位によって異なる傾向があること,腕と大腿における温熱的快適感の閾値は,体幹よりも小さく,敏感であることが示された.しかしながら,局所的な不快感は,全身の温熱的快適感には影響を及ぼさなかった.全身の温熱的快適感は,ホルモン作用の時間遅延により,コルチゾールには反映されなかったものの,アミラーゼ活性には反映されることがわかった.すなわち,アミラーゼ活性は,全身の温熱的快適感が維持された状態下での変動は小さいが,温熱的に不快な状態下では不快感に応じて増加した.これより,アミラーゼ活性は,交感神経系の直接作用により時間遅延の小さく,全身の温熱的快適性評価の指標と成り得る可能性が示された.

「デサントスポーツ科学」第30巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 深沢太香子,栃原裕,George Havenith
大学・機関名 *1 福岡女子大学,*2 九州大学大学院,*3 Loughborough University

キーワード

温熱的快適性アミラーゼ活性コルチゾール