信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 遅発性筋肉痛と運動形態の関連性

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.30 Vol.30

 本研究では,異なる動作速度のカーフレイズ運動によって遅発性筋肉痛を生じさせ,筋肉痛と等尺性筋力および関節可動域を経時的(事前,直後,1,2,3,4日後)に測定し,動作速度が筋肉痛や筋機能に及ぼす影響について検討した.動作速度は2Hzあるいは0.5Hzとし,関節角度を背屈15度から底屈20度までに規定した片足カーフレイズを1セット20回の10セット行わせた.カーフレイズ運動中の床反力ならびに筋放電量において2Hz条件の方が有意に大きかった.しかし,運動後から生じた筋肉痛には動作速度間で有意な差がなかった.等尺性筋力では0.5Hz条件の運動直後のみ動作速度間で有意差があったが,1日後以降では動作速度間の差はなかった.関節可動域では最大底屈角度,最大背屈角度ともにすべての測定日において有意な差がなかった.以上のことから,回数と可動域を規定したカーフレイズ運動によって引き起こされる筋肉痛は,カーフレイズ運動の動作速度の影響を受けないことが示唆された.また,運動から1日後以降の筋力および関節可動域の変化は,筋肉痛やカーフレイズ運動の動作速度の影響を受けないことが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第30巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 栗原俊之*1,川上泰雄*1,宮本直和*1,佐久間淳*2
大学・機関名 早稲田大学

キーワード

カーフレイズ運動筋肉痛最大底屈角度最大背屈角度