信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF メタボリックシンドロームの予防と解消のための効果的な骨格筋増量法の確立

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.30 Vol.30

 温熱刺激による骨格筋の適応変化について検討した.マウスおよびラットを用いた動物実験より,温熱刺激によりヒラメ筋湿重量および筋タンパク量が有意に増加した(p<0.05).組織学的評価から,温熱刺激により筋線維断面積の増大が観察された.また,温熱刺激は萎縮した骨格筋の回復を促進した.培養細胞実験より,温熱刺激によりインスリン関連シグナルであるAktおよびglycogen synthase kinase 3βのリン酸化促進が認められた.したがって,温熱刺激は骨格筋を肥大による基礎代謝増大ならびにインスリン関連シグナルを刺激して糖代謝を活性化させる効果を持つことが示唆された.温熱刺激による骨格筋の肥大と糖代謝活性化は,メタボリックシンドロームの予防や改善だけでなく,老化に伴う排泄機能障害や活動量低下などの骨格筋関連身体諸機能の対抗性変化を抑制できると考えられた.

「デサントスポーツ科学」第30巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 大野善隆*1,後藤勝正*1,吉岡利忠*2
大学・機関名 *1 豊橋創造大学,*2 弘前学院大学

キーワード

温熱刺激骨格筋ヒラメ筋メタボリックシンドローム