信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 間欠的人工低酸素環境曝露を伴う筋力トレーニング処方の開発

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.30 Vol.30

 人工低酸素環境への間欠的な曝露を伴う低負荷の筋力トレーニングが筋肥大や筋力増大に与える効果を検討することを目的とした.成人男性8名を対象に7週間(合計22回)の人工低酸素環境下(酸素濃度14.0%)での膝伸展筋力トレーニングマシンによる低負荷(20%1RM)反復(1セット25回挙上×左右6セット)トレーニングを実施し,前後の筋断面積および発揮筋力を測定した.また,低酸素環境下でのトレーニングの初回と最終回に運動中の生理反応(酸素摂取量,脈拍,動脈血酸素飽和度,筋酸素化レベル)を測定し,運動前後の血中のホルモン動態(成長ホルモン,アドレナリン,ノルアドレナリンなど)を測定した.その結果,トレーニング期間の前後で筋断面積や最大随意筋力は変化しなかったが,筋持久力は向上した.また,継続的な間欠的低酸素曝露を伴う筋力トレーニングにより成長ホルモンの亢進は認められなかったが,アドレナリン,ノルアドレナリンの分泌の低下がみられ,糖質代謝依存が低減していることが示唆された.また,運動中の動脈血酸素飽和度および脈拍は増加し,低酸素環境への順化が認められた.

「デサントスポーツ科学」第30巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 禰屋光男
大学・機関名 東京大学

キーワード

人工低酸素環境筋力トレーニング筋断面積発揮筋力生理反応最大随意筋力