信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 加圧ストッキングが“低血圧に伴う女性のめまい”に 及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.33 Vol.33

 要旨

 目的:低血圧によるめまい,ふらつきを訴える女性が急増している.しかし,このような女性に対して有効な治療戦略はないのが現状である.近年普及し始めた加圧トレーニングは,循環動態を改善し, 低血圧によるめまい ふらつきを改善させる可能性がある.そこで本研究では,加圧ストッキング着用が低血圧に伴う女性のめまいに及ぼす影響について調査することを目的とした.
 対象と方法:低血圧に伴う女性のめまい患者7名に1日8時間,加圧ストッキングを着用させた.めまいの改善評価にはVAS法(自覚症状)と重心動揺検査(外周面積の変化)を用いた.
 結果:7例中5例で自覚症状の改善が見られ,VASスコア平均でも,着用開始前5.4±0.8から着用継続後2.3±0.9と,有意な改善が得られた(対応のあるt検定:p<0.05).重心動揺検査でも5例中3例で改善が見られた.さらに,症例1では低血圧自体が改善し,症例7では起立性の血圧低下が改善した.
 結論:以上の事実は,加圧ストッキングの着用が低血圧に伴う女性のめまいに有効である可能性を示している.

「デサントスポーツ科学」第33巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 谷川徹*1,佐藤孝至*2,田中弘一*1,植田広海*1
大学・機関名 *1 愛知医科大学,*2 愛知学院大学

キーワード

低血圧加圧トレーニング加圧ストッキングVAS法(自覚症状)重心動揺検査