信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF αアクチニン 3 タンパク質発現量がヒト骨格筋パフォーマンスに及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.35 Vol.35

 要旨

 本研究は,ヒト骨格筋におけるαアクチニン3タンパク質発現量の違いが筋力発揮特性に及ぼす影響について検討することであった.大学生男性短距離走者22名が本研究に参加し,αアクチニン(ACTN)3遺伝子多型が同定された.その後,膝伸展動作での等尺性および等速性筋力の測定を行った.また,筋力測定の1週間後に15名の被験者に対して筋生検を行い,得られた筋サンプルからαアクチニン3および2タンパク質発現量および筋線維組成を評価した.αアクチニン3タンパク質発現量は,RR型がRX型と比較し有意に高い値を示した.しかしながら,等尺性および等速性膝伸展筋力は,ACTN3遺伝子多型間で有意な差は見られなかった.大学生男性短距離走者において,ACTN3遺伝子多型の違いはαアクチニン3タンパク質発現量に影響を及ぼすが,RR型とRX型間の発現量の違いは膝伸展動作での筋力発揮特性に影響を及ぼさないことが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第35巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 中村智洋,佐久間和彦,内藤久士
大学・機関名 順天堂大学大学院

キーワード

ヒト骨格筋アクチニン3タンパク質膝伸展動作膝伸展筋力