信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 褐色脂肪組織と運動習慣との関係および褐色脂肪組織増加のための栄養介入

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.36 Vol.36

 要旨

 褐色脂肪組織は,肥満および生活習慣病の予防に役立つとされている.そこで,継続的な運動習慣を有する者は褐色脂肪組織が多いか否か,脂肪燃焼作用のあるグレインオブパラダイス(GP)投与が,褐色脂肪組織および寒冷時熱産生を増加させるか否かを評価することを目的とした.一般大学生,水泳選手およびトライアスロン選手において,鎖骨上窩における褐色脂肪組織量を近赤外時間分解分光装置を用いて測定した.その結果,継続的な運動習慣を有する者は,褐色脂肪組織量が多かった.一般大学生18名(GP群9名,プラセボ群9名)を対象として,ダブルブラインド法を用いてGPを1日40mg,4週間投与した結果,全体では褐色脂肪量に変化はなかった.しかし,介入前に褐色脂肪組織量が低く熱産生の低い者は,GP摂取により褐色脂肪組織が増加した.以上から,継続的な運動習慣や適切な栄養機能性食品の摂取が,褐色脂肪組織および熱産生を増加させることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第36巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 浜岡隆*1,黒澤裕子*1,本間俊行*1,二連木晋輔*1,斉藤昌之*2
大学・機関名 *1 立命館大学, *2 北海道大学

キーワード

褐色脂肪組織グレインオブパラダイス(GP)寒冷時熱産生