信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 高強度持久性運動に対する脳循環制御機構の解明

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.43 Vol.43

 要旨

 本研究では,間欠的高強度運動中の中心動脈及び脳循環動態,ならびに大動脈から脳血管へかけての動脈系における拍動緩衝機能の応答を検討した.健常な若年成人12名(年齢24±2歳) を対象に,下肢サイクリング運動を最大作業負荷の50~60%で3分間(中強度運動) と80~90%で4分間(高強度運動),交互に4回ずつ行う間欠的高強度運動を施行した.総末梢血管抵抗は運動開始後に漸減し,3 回目の中強度運動以降で下げ止まりとなった.これに対し,脳血管抵抗性指数及びアドミッタンスは運動中に有意な変化を示さなかった.この結果は,間欠的高強度運動中に全身的な血管拡張が生じるものの,脳血管床においては血管拡張が起こりにくいことが示された.これは,一過性の高強度運動に伴う過大な脳潅流に対して,脳血管床は血管トーヌスを維持する,すなわち,拍動性変動というメカニカルストレスに対する防御機構である可能性が示唆された.

 「デサントスポーツ科学」 第43巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 菅原順*1, 小河繁彦*2, 東本翼*3
大学・機関名 *1 国立研究開発法人産業技術総合研究所, *2 東洋大学, *3 テキサスヘルスプレスビテリアン病院

キーワード

高強度持久性運動持久性トレーニング経頭蓋ドップラー法伝達関数周波数解析