信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 短長期間の高強度インターバルトレーニングによる呼吸循環制御系の運動適応‐発現機構の解明 -縦断的研究によるトレーニング効果の検証-

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.42 Vol.42

 要旨

 本研究は,システム生理学的研究手法を用いて週一回の高強度インターバルトレーニングが呼吸化学調節系のフィードバック制御機能や心形態・心機能に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.対象は健常男性7名.トレーニング前後で最大酸素摂取量(VO2max) 及び心形態の測定評価を行った.また安静時,低強度,高強度運動時の各々の条件下にて,呼吸化学調節フィードバック系をコントローラ(制御部) とプラント(制御対象部) の2 つのサブシステムに分離した後,定量化し,それぞれの機能特性をトレーニング前後で比較検討した.高強度インターバルトレーニング後のVO2max(+9.5±7.5%) 及び左室後壁厚(+17.9±8.6%) はトレーニング前と比較して有意に増加した( p < 0.01).また,トレーニングによって高強度運動時のコントローラ特性曲線のリセッティングが生じ,プラント特性(双曲線) の比例定数の増加及びx軸漸近線の値の減少が認められた(p < 0.05).本研究から,週一回の高強度インターバルトレーニングは最大呼吸循環機能を向上させるだけでなく,高強度運動時における呼吸化学調節系の機能特性を特異的に変化させること,制御部特性の機能的変化が,高強度運動時の換気抑制の主たるメカニズムとして動作していることが判明した.

 「デサントスポーツ科学」 第42巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 宮本忠吉*1, 仲田英臣*1, 大槻伸吾*1, 伊藤剛*1, 中原英博*3
大学・機関名 *1 大阪産業大学, * 2 森ノ宮医療大学

キーワード

高強度トレーニング運動最大酸素摂取量呼吸調節システム解析