信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF ジャックナイフストレッチが下肢筋タイトネスとキック動作に与える影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.40 Vol.40

 要旨

オスグッド・シュラッター病や腰椎分離症が問題となる成長期サッカー選手を対象としてジャックナイフストレッチが下肢筋タイトネスとキック動作に与える影響について検討した.J リーグ下部組織に所属している男児22 名(平均年齢12.1±1.1 歳)を対象とした.調査開始時に身長(cm),体重(kg),長坐位前屈距離(cm),下肢伸展挙上(SLR)(度),踵殿間距離:HHD(mm)とインステップキック時の骨盤後傾と膝関節,股関節の角度を計測した.その後,ジャックナイフストレッチを毎日朝と夜に5 回ずつ行うように指示し,6 か月後に再度同項目を計測した.身長は,154.0±10.4cm から158.1±10.1cm(P=0.477),体重は45.3±9.3kg から48.0±9.6kg(P=0.439)に変化し,長坐位前屈距離は35.5±7.1cm から42.0±6.0cm に有意に増大した(P=0.004).また,SLR,HHD それぞれの左右の平均値は,64.9±6.8度から75.3±7.2 度(P<0.001),121.5±32.6mmから111.1±24.9mm(P=0.008)と変化していた.一方で,インステップキック時に骨盤後傾は増大していた.成長期サッカー選手を対象としてジャックナイフストレッチを6 か月行うと下肢筋タイトネスが有意に改善した.一方,キック動作においては臨床的効果を見いだすことはできなかった.

 「デサントスポーツ科学」 第40巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 中瀬順介*1, 佐々木賢太郎*2, 木村剛*2, 高田泰史*1, 北川孝*3
大学・機関名 *1金沢大学附属病院, *2金城大学, *3金沢赤十字病院

キーワード

ストレッチオスグッド病筋タイトネス骨盤傾斜キック動作