信州大学 繊維学部技術データベース

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PDF 高強度・短時間・間欠的トレーニングは抗肥満・抗糖尿病効果を有するか - 褐色脂肪組織の活性化および活性化機構の解明 -

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.40 Vol.40

 要旨

高強度・短時間・間欠的運動(HIIT)による,抗肥満・糖尿病効果,また褐色脂肪組織(BAT)の活性化について検討することが目的である. 8 週齢のC57BL/6J 雄マウス16 匹を対象に,高脂肪食摂取(HFD; n = 8)群と高脂肪食摂取+ 運動(HFD + HIIT; n = 8)群の2 群分けた.HFD +HIIT群は体重の16%相当の重りを装着し,8 週間,週に4 回, 20 秒間の水泳運動-10 秒間の休息を15セット行った.介入後に,疲労困憊までの運動回数,クエン酸合成酵素(CS)活性,体重と各組織重量,血液検査(TC,LDL-C,HDL-C,血糖,アディポネクチン),BAT の脱共役タンパク質1(UCP-1)発現を評価した. HFD 群に比べて,HFD + HIIT 群の運動回数やCS 活性はHFD 群よりも有意に高値,体重,脂肪組織重量,TC,LDL-C,血糖は有意に低値,アディポネクチンは有意に高値であった. BATのUCP-1 タンパク質発現については増加傾向が見られたが統計的な有意差はなかった. HIIT が生活習慣病予防に効果的である可能性が示唆された.運動によるBAT の活性化についてはさらなる検討が必要である.

 「デサントスポーツ科学」 第40巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 二連木晋輔, 湊聡美, 坂根直樹
大学・機関名 京都医療センター

キーワード

褐色脂肪組織UCP1高強度運動水泳運動エネルギー代謝