信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動容量と筋タンパク質代謝応答の関係性から見た至適運動条件の探索

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.39 Vol.39

 要旨

 レジスタンス運動において,運動量は筋タンパク質合成(MPS)を増加させるための重要な変数であることが知られている.また,MPSの増加は主にmechanistic target of rapamycin complex 1(mTORC1)シグナルの活性化を介していると考えられている.しかし,運動量を過剰に増加させたときのmTORC1の活性化やMPSの増加に関しては知られていない.本研究では,動物レジスタンス運動モデルを用いて運動量とmTORC1活性化,MPS増加の関係性について検討した.若齢Sprague-Dawley系雄ラットに対して電気刺激による最大等尺性収縮10回を1,3,5,10もしくは20セット実施し,6時間後に腓腹筋を採取した.mTORC1活性マーカーであるp70S6Kのリン酸化はセット数の増加とともに亢進したが,MPSの増加は5セットで頭打ちになり,10,20セット行ってもさらに増加することはなかった.以上から,運動量の増加に伴って,mTORC1シグナルとは無関係にMPSは頭打ちになると考えられる.

「デサントスポーツ科学」第39巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 小笠原理紀
大学・機関名 名古屋工業大学

キーワード

レジスタンス運動運動量タンパク質合成シグナル伝達エムトール