近年、傷害を受けた組織や臓器を再生させて機能を回復させる再生医療が注目されています。
再生医療では、目的とする細胞に分化する能力を持つ、いわゆる幹細胞が重要な役割を果たしており、特に胚性幹(ES)細胞と骨髄細胞がその細胞源として精力的に研究されています。私たちの研究室では、自己骨髄細胞を用いた重症虚血肢患者への血管再生療法の臨床での経験をもとにして、骨髄細胞やES細胞の心血管細胞への分化や治療効果について研究を進めています。また、臨床における自己骨髄細胞移植による血管再生療法では、全身麻酔下で患者さんの骨髄細胞を採取する必要があることから、患者さんの負担をより軽減する方法として、サイトカインなどによる骨髄細胞の動員療法や病変部位への集積療法についても研究を行っています。