科目名: 加齢病態学

1年次必須

「目的」

 

1)加齢の本質的意味を探る。

2)適応という生物の持つ優れた機能を学ぶ。

3)過剰の適応と過小の適応の表現と意味を探る。

4)ヒトにしか与えられない命の尊厳を知る。

項目

コマ数

担当教員

ねらい

キーワード

加齢と適応

 1

橋爪

内部・外部環境変化への応答として加齢現象は表現される

環境変化、適応、老化、アポトーシス、死、可塑、増殖、分化、

生態リズム

 

 1

 

橋爪

 

短い周期から一生にわたる周期があり、

その破たんは不都合な病態を形成する

生体リズム、時計遺伝子、テロメアー、内分泌、冬眠、不眠、腫瘍発生

高次中枢機能

 

 1

 

橋爪

 

環境変化に影響されてはならないのが高次中枢機能であり、適応の最終目標である

痴呆、神経細胞、エネルギー代謝、精神障害、ストレス

生活習慣病:概論

 

 1

 

橋爪

 

高次中枢機能は加齢に伴い狡猾な変化を示す。そのための適応現象が生活習慣病として表現。

栄養、肥満、インスリン抵抗性、運動、細胞特異的エネルギー代謝

生活習慣病:糖尿病

 

 1

 

橋爪

 

高次中枢のエネルギー源としてのブドウ糖とその必要に応じて変化する血糖値。

ブドウ糖、エネルギー、糖輸送、インスリン、交感神経、合併症

生活習慣病:高脂血症

 

 1

 

橋爪

 

高次中枢機能を形成する神経細胞は脂質である。中枢機能を守る適応としての高脂血症。

膜構造、アポリポ蛋白質、コレステロール、レムナント、LDLHDL

生活習慣病:動脈硬化

 

 1

 

橋爪

 

循環器系を独特に発達させたほ乳類の血管は動脈硬化を要求している。

泡沫細胞、スカベンジャー受容体、核受容体、炎症応答、心不全、冠動脈

生活習慣病:高血圧

 

 1

 

橋爪

 

中枢への血液量を維持する機構が高血圧である。生活習慣病成立機序を分析する。

血圧、心拍出量、脱水、水と電解質、アルドステロン、カテコールアミン

生活習慣病:骨粗鬆症

 

 1

 

橋爪

 

カルシウムの要求は細胞の加齢に伴って変化する。沈着と喪失の加齢からの意義を問う。

骨粗鬆症、カルシウム、副甲状腺、女性ホルモン、石灰化、ビタミンD

加齢と腫瘍

 

 1

 

橋爪

 

加齢を横軸に取ると腫瘍発生の特徴がみえる。転移機能も含めて腫瘍発生と進展を分析する。

遺伝性・家族性癌、遺伝子多型、プログラム、増殖・分化の適応、転移

免疫の病気と加齢

 

 1

 

橋爪

 

表現される自己免疫疾患は年齢依存性で性依存性である。表現型から遺伝性の意味を問う。

自己免疫疾患、性ホルモン、抗体、抗原、炎症

免疫の成立と加齢

 

 1

 

橋爪

 

免疫疾患発症機序を胎児における免疫機能獲得から、個体の死に至るまでの過程で再考察する。

自己認識、多腺性免疫病、リウマチ、リンパ球、アポトーシス、組織破壊

性差医療と加齢

 

 1

 

橋爪

 

加齢に伴う一般的疾患に性差がある。性ホルモンの加齢における意味を追求する。

女性と男性、性特異的病気、性ホルモン、閉経、更年期障害、

内分泌と加齢

 

 1

 

橋爪

 

性ホルモンを含め、加齢には様々な内分泌機能が適応現象として活躍する。それを概観する。

脳下垂体、成長ホルモン、成長因子、甲状腺ホルモン、神経と内分泌

老化・寿命・心

 

 1

 

橋爪

 

高次中枢機能は老化しないのが原則である。寿命が尽きるまでヒトは心の動物である。

心、長寿、老化、QOL、加齢、加齢の研究

信州大学大学院医科学修士課程社会人追加募集シラバス(e-LEARNING

 

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