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診療科案内
  • 消化器外科(肝・胆・膵)主として肝・胆・膵疾患の外科治療を行っております。
  • 消化器外科(消化管)主として食道癌、胃癌、大腸癌の外科治療を行っております。
  • 移植外科肝移植医療を行っております。
  • 小児外科主として小児ヘルニア、先天性疾患の外科治療を行っております。
  • ヘルニア外来そけいヘルニアなどの外科治療を行っております。

肝臓癌肝臓癌

肝細胞癌

肝細胞癌とは

肝臓にできる癌のうち、肝細胞に由来するもので、原発性肝癌の94%を占めます。

原因

約80%が、B型ないしはC型肝炎ウイルス感染による慢性肝炎や肝硬変を背景にした発癌といわれています。一方、近年では、B型/C型肝炎ウイルス感染のない肝障害(アルコール性肝障害や、非アルコール性脂肪性肝炎など)を背景に発生する肝細胞癌(いわゆるNBNC)が増加傾向であると言われています。

症状

一般に肝細胞癌は症状の出にくい癌であるので、痛みやしこりを触れるなどといった自覚症状は癌がかなり進んでくるまではほとんどありません。
一方、慢性肝炎や肝硬変では、だるくなる、皮膚や眼球の白い部分が黄色くなる(黄疸)、尿が濃くなる、からだ全体がむくむ、お腹に水が貯まり張ってくる(腹水)などといった症状があります。

検査

肝癌診療ガイドラインでは、肝細胞癌の危険因子(肝硬変、C型慢性肝炎、B型慢性肝炎、男性、高齢、アルコール摂取)を有する方は、2~6カ月間隔 での定期的なスクリーニング(腫瘍マーカーと超音波検査を軸に、dynamic CT/MRIを併用)によって、早期に肝細胞癌が検出される可能性が高まり、根治的な治療を受ける機会が増える可能性がある、と記されています。

治療方法

ガイドラインに基づいて、患者さん一人ひとりに最適な治療法を選択しています。具体的には以下のような治療方法があります。
1.肝切除
外科的に癌を切除する方法です。切り取る肝臓の大きさは、癌の位置、大きさ、癌が血管へ及んでいる程度など、癌に関係した因子と、肝機能や全身状態といった患者さん自身に関する因子から決定します。
残る肝臓の大きさが、患者さんの生命維持に不充分と判断される場合は手術の適応とはなりません。

2.経皮的局所療法
エタノール注入療法:エタノールという液体を注入する方法です。
マイクロ波凝固療法、ラジオ波熱凝固療法:マイクロ波やラジオ波を発生させて腫瘍を熱凝固させる治療法です。

3.肝動脈塞栓術
太ももの血管から細い管を挿入し、癌に酸素や栄養を供給する血管に抗癌剤の投与や、つめものをすることで癌を兵糧攻めにする方法です。

4.肝移植術
移植術に関しては、移植外科の診療案内をご覧ください。
移植外科

治療成績(1990年1月〜2013年12月)

当科における、肝細胞癌660例に対する初回切除術の5年生存率は56%です(平均観察期間7年)。同期間内の在院死亡率は0.4%です。

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肝細胞癌に対する初回手術後の生存率

胆管細胞癌

はじめに

原発性肝癌のなかで、胆管細胞癌の占める割合は4%ほどで、肝細胞癌に次いで2番目に多い腫瘍です。
肝細胞癌と異なり正常肝に発生することが多いことから、スクリーニングが困難であるうえ、進行が速く腫瘍の浸潤傾向が強いため、発見時には遠隔転移や多臓器への直接浸潤などにより切除困難である場合が多いとされています。

症状

癌の発生部位が、肝門近くの場合は、黄疸、発熱、腹痛、肝機能障害などで発見されることが多いのに対し、肝門から離れた末梢にある場合は無症状のことが多く、癌の増大に伴って、腹痛、腹部膨満感、肝機能障害などが現れることがあるといわれています。

治療

外科的切除が、唯一予後を改善する可能性のある治療法といわれています。当科では、肝細胞癌と同様の基準で、手術の適応を決定しています。また、癌が巨大であっても、外科的に遺残なく切除可能である場合は積極的に手術を行っています。
傍大動脈リンパ節転移や他の臓器への移巣が認められれば、肝切除は行わず、ジェムザールを中心とした全身化学療法を行っています。

成績(1991年1月〜2013年12月)

我々の施設では1991年から2013年に至るまでおよそ100例の胆管細胞癌が外科的に切除され、5年生存率は約43%です。術式については肝葉切除以上の肝切除が全体の6割以上を占めていることから、多くの症例が進行癌であることを示していると思われます。

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胆管細胞癌に対する初回肝切除後の生存率

転移性肝癌

はじめに

転移性肝癌とは、肝臓以外の臓器に発生した悪性腫瘍が肝臓に転移したものをさし、その発生頻度は原発性肝癌より多いとされています。転移性肝癌の原発巣としては、消化器癌(胃癌、大腸癌、膵癌、胆道癌など)が最も多く、他に肺癌、乳癌、頭頸部癌、腎癌などの非消化器系癌のほか、平滑筋肉腫、神経内分泌腫瘍の肝転移を認めることもあります。

転移性肝癌に対する基本方針

1.大腸癌の肝転移
大腸癌の肝転移に対しては、肝切除が唯一長期生存を期待できる治療法であるとされ、その有効性は確立されています。「大腸癌診療ガイドライン」でも、根治切除可能な肝転移に対しては肝切除が推奨されています。
当科では、腫瘍個数に関係なく、以下の条件を満たせば手術適応としています。
・耐術可能
・原発巣が根治切除されている、もしくは根治切除可能
・肝外転移がないか制御可能
・十分な残肝機能を保持しつつ肝転移巣の根治切除が可能

2.大腸癌以外の肝転移
大腸癌以外の疾患の肝転移に対する肝切除の有効性は、必ずしも明らかにはなっていません。
しかし、肝切除以外の治療選択肢に乏しい場合は、各疾患の生物学的悪性度、原発巣の制御状態、肝臓以外の遠隔転移巣の有無などを総合的に考慮し、肝切除の適応を決定しています。

肝切除術式

転移性肝癌に対する肝切除は、部分切除を基本術式としていますが、実際には、癌の個数と局在、主要な血管への浸潤の有無、などにより大量肝切除を要することもあります。
予想される残肝容積が、肝機能からみて過小と判断される場合には、術前に門脈塞栓術(切除予定側の門脈を塞栓することで、温存予定側の肝臓の代償性肥大を 促す小手術)を行い、術後肝不全を予防しています。また、癌が主要な肝静脈に浸潤している場合、術前にコンピュータを用いて肝臓の容積や各血管の支配領域を測定し、肝静脈を合併切除したあとの再建(血管をつなぎ直すこと)が必要か否かを判断しています。

当科における成績(1990年1月〜2013年12月)

大腸癌からの転移性肝癌に対する、初回肝切除(248例)後の5年生存率は45%です。

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大腸癌からの転移性肝癌に対する初回切除後の生存率

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