信州大学医学部歯科口腔外科
Department of Dentistry and Oral Surgery, Shinshu University School of Medicine

第23回日本口腔腫瘍学会総会
(2005年2月3-4日、東京都)
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頸部リンパ節転移に対するFDG-PETの有用性の検討

生体染色とデジタルマイクロスコープを用いた口腔癌深部切除マージンの診断
○ 栗田 浩、上原 忍、中塚厚史、成川純之助、鎌田孝弘、小池剛史、小林啓一、倉科憲治

 腫瘍の外科的切除に際して、腫瘍の完全切除を確認する方法として術中迅速病理診断法が行われている。しかし、この方法は結果が出るまである程度の時間を要する点や、検査できる部位が制限されるなどの欠点がある。また、採取した迅速病理組織片に腫瘍が含まれていなくても、実際に十分な切除安全域(切除マージン)が確保されているか否かは不明である。そこでわれわれは、迅速病理組織診断法に代わる方法として、切除物の断面を生体染色しデジタルマイクロスコープを用いて観察よることにより診断する方法を開発したので、本法の概要を報告する
【検査方法】1,腫瘍の切除摘出。2,解剖学的位置関係の確認後、任意の方向および厚さで摘出物をスライスする。3,スライスされた各断片を、割面を上にして標本台上にピンで固定。4,肉眼的に観察。5,割面を綿球等で乾燥後、0.4%インジゴカルミン、続いて0.5%コンゴレッドを塗布。6,数分経って染色が落ち着いてから、デジタルマイクロスコープ(VHX-100&VH-Z25、キーエンス株式会社、大阪市)を用いて割面を観察し、切除マージンを計測。7,最終的に、同割面の病理組織標本を作製し比較検討する。
【検査結果】上記2剤の染色により腫瘍および上皮以外の部位は暗赤色に染色されるのに対し、上皮性の腫瘍組織は染色されない。このため、腫瘍と周囲組織との鑑別が容易となり、深部切除マージンの診断が可能であった。
【考  察】本方法は手術台の横でリアルタイムに施行可能で、摘出組織ほぼ全体を観察できる利点を有している。本検査法により、ほぼ正確な切除マージン(深部断端)の診断が可能であり、深部切除マージンの診断において本法が迅速病理診断に代わりえる可能性が示唆された。

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