信州大学医学部歯科口腔外科
Department of Dentistry and Oral Surgery, Shinshu University School of Medicine

第42回日本癌治療学会総会
(2004年10月27-29日、京都)
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口腔癌切除術中における生体染色とデジタルマイクロスコープを用いた深部切除マージンの新しい診断法

○栗田 浩、上原 忍、小池剛史、小林啓一、倉科憲治

 迅速病理組織診断法に代わる方法として、生体染色法とデジタルマイクロスコープを用いた診断法を開発したので、その概要を報告する
【検査方法】1,腫瘍の切除摘出。2,切除面全体に墨汁にて墨付け。3,解剖学的位置関係の確認後、任意の方向および厚さで食パンを切るように摘出物をスライスする。4,スライスされた各断片を、割面を上にして標本台上にピンで固定。5,肉眼的に観察。6,割面を綿球等で乾燥後、0.4%インジゴカルミン、続いて0.5%コンゴレッドを塗布。7,数分経って染色が落ち着いてから、デジタルマイクロスコープ(VHX-100&VH-Z25、キーエンス株式会社、大阪市)を用いて割面を観察し、切除マージンを計測。8,最終的に、同割面の病理組織標本を作製し比較検討する。
【結果】上記2剤の染色により腫瘍および上皮以外の部位は暗赤色に染色されるのに対し、上皮性の腫瘍組織は染色されない。このため、腫瘍と周囲組織との鑑別が容易となり、深部切除マージンの診断が可能であった。
【総括】本検査法により、ほぼ正確な切除マージン(深部断端)の診断が可能であり、深部切除マージンの診断において本法が迅速病理診断に代わりえる可能性が示唆された。

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