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早期子宮頸癌に対する診断・治療計画立案の中で、MRI所見が果たす役割を検討する多機関共同研究(多機関共同)

〜臨床研究に関する情報及び臨床研究に対するご協力のお願い〜

現在、産科婦人科では、本学で保管している診療後の診療情報等を使って、下記の研究課題を実施しています。

1. 研究の名称

『早期子宮頸癌に対する診断・治療計画立案の中で、MRI所見が果たす役割を検討する多機関共同研究(多機関共同)』

2. 倫理審査と許可

本研究は京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院 医の倫理委員会の審査を受け、各研究機関の長の許可を受けて実施しています。

3. 研究機関の名称・研究責任者の氏名

研究機関:京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学教室

研究責任者:京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学教室 教授 万代 昌紀

4. 研究の目的・意義

早期子宮頸癌に対する手術療法は、広汎子宮全摘出術が標準術式とされていますが、この術式では骨盤内の自律神経損傷のため、しばしば排尿、排便、性機能などが障害され、術後における生活の質が低下するという問題があります。

近年、早期子宮頸癌に対して、全ての症例で広汎子宮全摘を必要とするわけではなく、単純子宮全摘も含めて、より低侵襲な手術も十分選択肢になることがわかりました。

我々は、早期子宮頸癌に対する術式の選別として、婦人科腫瘍の術前評価で汎用されているMRIの有用性について研究を行ってきました。

これまでにわかったこととして、画像上で、腫瘍が特定出来ない早期頸癌症例は、腫瘍が特定出来る症例に比べて有意に予後が良いことが分かりました。また、画像上で腫瘍を特定出来ない症例の中でも、非扁平上皮癌1)は扁平上皮癌2)に比べて有意に血管やリンパ管(脈管)へ侵襲する頻度が低い現象を認めました。子宮頸癌における脈管侵襲の有無は、遠隔転移や再発率、予後に影響を与えるため、画像上で腫瘍が同定されない早期の非扁平上皮癌症例に関しては、今後、より低侵襲な治療を考慮出来る可能性があります。

しかし、これまでの研究は単一施設内の症例に対する検討であるため、今後は多機関共同研究で更なる検証が必要と考えています。

1)2)ともに子宮頸癌の組織型別分類)

5. 研究実施期間

研究機関の長の実施許可日から2029年12月31日まで

6. 対象となる試料・情報の取得期間

2011年1月1日から2020年12月31日までに、京都大学医学部附属病院および共同研究機関において、早期子宮頸癌と診断され、根治的な治療を受けた症例。

7. 試料・情報の利用目的・利用方法

電子カルテより、治療期間中に行なった検査やその所見、臨床上生じたイベントの記録を抽出して解析をします。また、病理標本より作製されたバーチャルスライドも解析に用います。一見して個人が特定できないようにID化して管理され、パスワードがかかった電子カルテ内の所定の箇所に、厳重に管理されます。

8. 利用または提供する試料・情報の項目

・臨床所見:治療時の年齢、合併症の有無と内容、家族歴の詳細、HPVワクチン歴、身長、体重、経妊経産回数。

・検査所見:採血にて評価する検査項目すべて(診療録にあるものすべて)、MRI、CT、PET画像所見、コルポスコピー所見や写真。

・病理学評価:病理レポートに加えて、実際のHE標本も評価します。他施設のものは、バーチャルスライド化して共有します。

・臨床情報:診療録から抽出します。治療内容の詳細、合併症の有無と内容、再発の有無、最終的な患者のstatus。

9. 利用または提供を開始する予定日

各研究機関の長の実施許可日以降に使用します。

10.当該研究を実施する全ての共同研究機関の名称

京都大学医学部附属病院 産科婦人科  万代 昌紀 

鳥取大学医学部附属病院 女性診療科群 小松 宏彰

信州大学医学部附属病院 産科婦人科学 小原 久典

大阪大学医学部附属病院 産婦人科 中川 慧   

11. 試料・情報の管理について責任を有する者の氏名または名称

京都大学大学院医学研究科婦人科学・産科学  教授  万代 昌紀

12.同意撤回について

研究の参加はいつでも取りやめることができます。この研究の参加の途中であっても、いつでも参加を取りやめることができますので、ご遠慮なく下記担当者もしくは相談等窓口にお知らせください。

1) 研究内容の問い合わせ担当者:

京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学教室 助教 山ノ井 康二

電話:075-751-3269、FAX:075-761-3967、e-mail:kojiymni@kuhp.kyoto-u.ac.jp

2) 京都大学の相談等窓口

京都大学医学部附属病院 臨床研究相談窓口

電話:075-751-4748、e-mail:ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp

13. 他の研究対象者等の個人情報及び知的財産の保護等に支障ない範囲内での研究に関する資料入手・閲覧方法については、「14.研究対象者およびその関係者からの求めや相談などへの対応方法」に記載の問い合わせ先までご連絡ください。

14. 研究資金・利益相反

1) 研究資金の種類および提供者

  研究資金の種類:産婦人科運営費

   提供者:産婦人科医局

2)提供者と研究者との関係

研究者は提供者に所属する医局員です。

3) 利益相反 

利益相反について、京都大学利益相反ポリシー、京都大学利益相反マネジメント規程に従い、京都大学臨床研究利益相反審査委員会において適切に審査しています。

15. 研究対象者およびその関係者からの求めや相談等への対応方法

1) 研究課題ごとの相談窓口

研究内容の問い合わせ担当者:

京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学教室 助教 山ノ井 康二

電話:075-751-3269、FAX:075-761-3967、e-mail:kojiymni@kuhp.kyoto-u.ac.jp

2) 京都大学の相談等窓口

京都大学医学部附属病院 臨床研究相談窓口

電話:075-751-4748、e-mail:ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp