赤唇再建に向けた角化した薄い無毛皮膚の実験動物における再生研究

 赤唇は組織学的には白唇に近い角化を伴った無毛の表皮下に薄い真皮を有していて口輪筋表層までの距離が短いために、筋の色が透けて見えるために赤く、メラニン色素が多いために口唇粘膜より赤さがくすんで見えることが判明しています。熱傷や腫瘍切除で赤唇を失った場合に、外観的にも、乾燥に耐えるという機能的にも、組織学的に正しく再建することは患者の生活の質を維持する上で重要です。しかし、そのような完全な赤唇を再建できる方法やその代用となる再建組織は身体の他の部位には存在しません。正角化、付属器の欠如、薄い真皮、多めのメラニン色素を有した赤唇をいかにして再生して、再建された赤唇領域を維持できるようにするかが治療への導入に重要点となります。将来、赤い皮膚を再生し再建するための手立てを解明する目的で本研究を行っています。

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