都市計画を行う際には、当該都市の気候実態について把握しておくことは必要不可欠である。近年、AMeDAS が整備され、気温、風向・風速、日照時間、降水量などの観測により、建物熱負荷計算をはじめとする温熱環境解析用の気象データとして利用されている。しかし、数10km 四方程度の比較的狭い範囲でも、気温と相対湿度は土地利用毎に微気象が存在することからも、AMeDAS の観測網である約21km 四方より狭い領域については十分なデータとはいえない場合もある。これらの背景を受け、過去の研究で長野市において土地利用や標高差による気象データ、またその特性について明らかにしてきた。また、長野市と同様に、比較的狭い範囲に多種多様な土地利用が存在し、人口と規模が同程度の内陸地方都市である、松本市、岐阜市、前橋市、甲府市においても気象観測を行った。本研究では、同時性と広域性を持たせるため移動測定を行った。また定点測定を加えることで各地域による測定点の時間変化を捉える。これらを組み合わせ、より詳細に内陸地方都市の気候実態について明らかにしていくことを目的とする。 |