平成12年度修士論文
 木村 大樹

都市域における陰影画像の作成と
陰影による日射量への影響に関する研究


研究背景と目的

 近年、化石燃料大量消費による地球温暖化等の環境問題が顕在化するなかで、無尽蔵、無公害の太陽エネルギーが注目されている。太陽エネルギーを利用したシステムの取得エネルギーは、様々な気象・外界条件によって影響を受けるが、システムに入射する太陽エネルギーによる影響がもっとも大きいことが既往の研究によって明らかにされている。太陽エネルギーの利用を考慮する場合、その地域における具体的な日射の状態を把握していないと、太陽エネルギーによって得られる期待量が予測できない。  都市の実態をみても、低層住宅のように広い敷地内に建物がある場合には、陰影の影響を考慮しなくてもよいが、中心商業地区などでは、建物などの陰影によって到達する日射量に大きく影響を受ける。特に本研究の解析対象地域である長野市では、中心商業地区内にも木造の民家が多数あり、太陽エネルギー利用を考慮する際には、高層建築物などによる陰影の影響を考慮しなければならない。  そこで本研究では、長野市中心部を対象に建物の影響による陰影図の作成をおこない、都市部の陰影状況を明らかにし、太陽エネルギー利用の有効性について検討する。その際に、人工衛星データを利用することにより、他の都市へも応用できる手法を開発することを目的とする。





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