近年、都市部に起こる局地的な温暖化現象であるヒートアイランドが、大都市圏のみならず、地方都市でも顕在化しており、都市域における重大な問題になっている。ヒートアイランド形成の要因の1つとして、緑地・水面等の自然表面の減少および建物・道路等の人工物の増加など「土地被覆の改変」が挙げられる。 既往の研究より、気象観測点周辺の土地被覆状況の違いにより、観測点周辺に気候変化が生じることが報告されている。また、気象観測点の温湿度変化特性において、気候変化には地域的な差が見られることが分かっている。よって、気候変化を考える場合、大気に占める温室効果ガスの増加による大気変化の要因、観測点周辺のエネルギー消費増大、土地被覆変化による熱容量増大などの要因を合わせて考える必要がある。また、気候変化には地域的な違いがみられるという事から、本研究では土地被覆状況の解析が可能なリモートセンシングデータを用い、約15年の間隔がある2時期のデータによる気象観測点周辺の土地被覆分類により、全国の気象観測点がどのような周辺環境でどのように変化したのかを把握し、気候変化との関係性をとらえることを目的とした。また、より深く土地被覆の変化と気候変化との関係性を探るため、リモートセンシングデータより得られる指標を用いた関係性についても検討していく。 |