ヒートアイランド現象が起こる原因として、地表面被覆の改変があり、これは地表面からの蒸発量の低下や、反射率の低下、人工排熱の増大などを招き、その結果として大気への顕熱・放射の増加による昼夜間の高温化(ヒートアイランド現象)が起こると考えられている。そのため、地表面付近の放射収支特性・熱収支特性を把握し、地表面においてどのような熱の移動が起こっているのかを知ることは、都市環境を知る上でも重要である。 さらに近年では、ヒートアイランド現象の実態把握を行うために、複数機関が合同で大規模な屋外温熱環境実測を行ったり、都市の植生や河川による熱的影響を評価したりしている。 しかし、このような熱的環境調査・研究の多くは大都市圏におけるものが中心となっており、季節は夏季と冬季の測定が中心となっている。地方都市でもヒートアイランド現象は問題となってきているため、地方都市で自然的、都市構造的な特性を知り、その特性を踏まえた上で都市気候の温熱環境調査・解析を行う必要がある。 そこで本研究では放射収支・熱収支に関する測定を行い、土地被覆別の放射収支特性・熱収支特性について検討を行い、ある地域における放熱量を時間毎に視覚的に表現した熱収支マップの作成を行った。 |