近年、都市熱環境の悪化が著しく、改善していくためには都市の気候を把握し都市計画の段階から熱環境を考慮していく必要がある。ドイツでは山から流出する冷気流を都市内に取り入れ、ヒートアイランドを緩和させるという方法が都市計画に応用されており、自治体レベルでのヒートアイランド緩和対策としては有効と考えられる。日本でも各都市でクリマアトラス(Klimaatlas)の活用に向けて様々な活動が行われている。本研究では熱環境改善と共に長野市でのクリマアトラスの実践的活用の第一歩を目的とし、本研究室における2002年の既往の研究で明らかにされた山風発生の実態を基に2004年の山風の実測結果から山風の熱環境改善の有効性を明らかにし、山風の特性、影響を把握していく。また、「気候に配慮した長野市のまちづくり」に関するワークショップを行い、長野市での山風の活用方法を提案し、考察を行う。 |