感染率測定
試薬・器具
蒸留水、10%KOH、2%HCl、0.05%トリパンブルー乳酸溶液、ラクトグリセロール溶液 試験管、試験管立、恒温水槽、軍手、シリコン栓、ピンセット、ガラスシャーレ、はさみ、i-wipe、廃液入れ容器、スライドグラス、カバーグラス、ペン、プレパラート入れ、マニキュア、キムワイプ
操作
- 根を1cm断片にし水が入った試験管に入れる。根の詰め過ぎに注意。根が多すぎると染色されにくい。
- 試験管内の水を抜いたあと、10%KOHを根が浸る程度加える。
- 90℃の恒温水槽でインキュベートする。ミヤコグサの場合は10分間。
- KOHを捨て、蒸留水で2-3回置換する。
- 2%HClを加え、5分間静置する。
- HClを捨て0.05%トリパンブルー乳酸溶液を加える。
- 90℃の恒温水槽で10分間インキュベートする。
- トリパンブルー乳酸溶液を捨て、ラクトグリセロール溶液を加えた後、シリコン栓をして保存する。
- 染色根をシャーレに取り、ピンセットを用いて約15本をスライドグラス上に平行に並べる。
- 余分な溶液をキムワイプで吸取った後、ラクトグリセロールを1滴滴下し、カバーグラスをしマニキュアで封をする。
- 顕微鏡下で根を約150ポイントを観察し、カウンターを用いて以下のカテゴリーの構造を計数する。
カテゴリー:感染なし、樹枝状体、嚢状体、全観察ポイント数
- 感染率をMcGonigle et al. (1990)の方法で計算する。
HC% (hyphal colonization) = (全観察ポイント数-感染なし) /全観察ポイント数x 100
AC% (aarbuscular colonization) =樹枝状体/全観察ポイント数x 100
VC% (vesicular colonization) =嚢状体/全観察ポイント数x 100
McGonigle, T.P., Miller, M.H., Evans, D.G., Fairchild, G.L., and Swan,
J.A. (1990). A new method which gives an objective measure of colonization
of roots by vesicular-arbuscular mycorrhizal fungi. New Phytologist 115,
495-501.
24穴マイクロプレートを用いた染色法
- 根を1cm断片にし水が入ったマイクロプレートに入れる。
- 水を抜いたあと、10%KOHを根が浸る程度加える。
- 蓋をし、ジップロックの袋に入れる。
- 70℃の恒温器で3時間、もしくは室温で一晩インキュベートする。
- スポイトでKOHを吸い取り、蒸留水を加え2-3回洗浄する。
- 2%HClを加え、5分間静置する。
- HClを捨て0.05%トリパンブルー乳酸溶液を加える。
- 70℃の恒温器で2-3時間、もしくは室温で一晩インキュベートする。
- トリパンブルー乳酸溶液を捨て、ラクトグリセロール溶液を加え保存する。
廃液処理
- 酸とアルカリは廃酸廃アルカリ廃液へ --> 貯まったら中和
- トリパンブルー染色液は色素廃液へ --> 貯まったら活性炭で色素を吸着
ストック試薬
10% KOH(強アルカリの劇物。取り扱い注意。ドラフト内で作製。)
- 1Lビーカーに約400mlの蒸留水を加える。
- スタラーラーバーを入れスターラーで撹拌する。
- 50 g KOHを電子天秤で測り取る。
- KOHを少しずつ蒸留水に加えていく。(一気に入れると激しく発熱するので注意。)
- 全量溶解したら蒸留水で500mlにメスアップする。
- プラスチック容器に保存する。
2% HCl(強酸の劇物。取り扱い注意。ドラフト内で作製。)
- 1Lビーカーに490mlの蒸留水を加える。
- スタラーラーバーを入れスターラーで撹拌する。
- 安全ピペッターを取り付けたメスピペットで濃塩酸を10mlとる。
- 濃塩酸を少しずつ蒸留水に加えていく。(一気に入れると激しく発熱するので注意。)
- 遮光瓶に保存する。
0.05%トリパンブルー乳酸溶液
- 500mlガラス瓶に乳酸を475ml加える。
- 1%トリパンブルー原液を25ml加える。
- よく撹拌し保存する。
1%トリパンブルー原液
- 100mlメディウム瓶に蒸留水を100ml加える。
- トリパンブルーを1g加える。
- よく撹拌しトリパンブルーを溶解する。
ラクトグリセロール
- 1000mlメディウム瓶に蒸留水62ml、乳酸875ml、グリセロール63mlを加える。
- よく撹拌し保存する。