作物の生産力をより高めて行くための方法の一つとして、根の機能を改善したり、
根の生長をコントロールすることが考えられますが、これらを実現するためには、
まず、根の機能や生長を簡単に調べられるようにすることが必要です。
本研究室では、根を調べる方法のひとつとして、根箱(根が見えるように
透明な側面をもつ箱)を使った調査や、新根のみをサンプリングする方法を使った
調査を行なっています。
また、根の呼吸活性(データを得るには当然呼吸測定装置が必要だし、
根を傷めないように採取しないと良いデータが得られないなど、
測定は結構厄介)を根の重さの測定だけで推定する方法の開発)を進めています。
根箱による調査 登熟や収量を高めるには登熟期の根の活性が高いことが望まれる。 |
![]() 根箱による根系観察(上)とピンボード法 による根系採取(下) |
根の呼吸活性の簡易評価法の開発 根の活性の測定容易な新しい評価法として、根の乾物率(乾物重/新鮮重)が有望なことをこれまでに明らかにしている。 根の研究7: 101-104. (1998)、International Symposium on Root Research (2001)など。現在、日本型のイネのコシヒカリとインド型のイネ、あるいは移植イネと直播イネを用いて根乾物率による根活性の評価の有効性や根の乾物率、根系発達状況の違いを調査中。 また、普通ソバについても同様の調査を行なっている。 [ 右図 ] 栽培条件の異なるコシヒカリについて、根の活性の指標である根の呼吸速度は根の乾物率と相関関係を示す(作物学会講演会で発表 1999)。 |
![]() |