研究室の紹介

 動物の行動を科学的、総合的に解析することによって、動物の欲求が何であるかを理解し、限られた環境の中で動物が感受しているストレスを少しでも軽減できる飼育システムの構築を目指しています。これらの研究成果は、アニマルウェルフェアへの関心が高まっている今日、生産物の付加価値向上や飼育環境改善だけでなく、飼育管理作業の省力化にも役立つと確信しています。また、展示動物においては、アニマルウェルフェアに配慮した展示方式の導入により、個体の健全性、繁殖性の向上につながると考えています。

 さらに、大きな社会問題となっている野生鳥獣による農作物被害を軽減することを目的として、持続的な野生動物管理システムの構築を模索しています。特にニホンジカは農林業被害だけではなく、生態系のバランスも崩すほど、その個体数(あるいは生息密度)を増加させています。私たちは、健全な営農活動、生物多様性の維持を図るべく、動物行動学、畜産学の視点から、軽労的な捕獲方法を目指しています。ここで提案する手法は、健全な生物多様性の維持につながると考えています。