News Release

カリフォルニア統合水管理の国際セミナーを開催 2016年11月15日、信州大学長野(工学)キャンパスで

2016.11.15 お知らせ

水文・水資源学会と信州大学工学部水環境・土木工学科が主催する「カリフォルニア統合水管理に関する国際セミナー」(アクア・イノベーション拠点・後援)が2016年11月15日、信州大学長野(工学)キャンパスの国際科学イノベーションセンターで開かれ、カリフォルニア州水管理局のカミヤ・グビッチ全州統合水管理部長が講演しました。



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同セミナーは2016年4月、同学科の発足と同時に赴任した吉谷純一教授が、河川財団、及び、西原育英文化事業団の協力を得て企画したもので、2015年4月に東京と京都で開催した「カリフォルニア水計画2013:統合水資源管理のロードマップ」に次ぐセミナーです。



米カリフォルニア州は半乾燥の地中海性気候で、山脈の積雪を源とする河川水、地下水、州外からの輸入水が主要な水供給源となっています。近年、都市の水需要や絶滅危惧種の魚の保護のための水需要が増加する一方で、積雪量が大幅に減少しています。現状ではしかし、適切な水管理がなされていないため、地下水利用が急増し、地盤沈下が大きく進行する地域もあります。信頼性の高い水供給を支える水システムは危機的状況にあるという認識の元で、連邦・州・地方、土地利用と水計画など様々な視点での統合を目指す統合水管理が州にとっての大きな課題となっています。



国際セミナーには県内外から水資源管理に関わる行政、企業の関係者、大学教員ら約80人が出席。カミヤ・グビッチ氏が、カリフォルニア水資源/システム▽主な課題と脆弱性▽5年超に及ぶ渇水の状況とその対応▽水計画2013年の概要▽2018年改訂版の準備状況――などについて説明しました。



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これを受け、カリフォルニア大学デービス校の浅野孝名誉教授が日本向けの解説として「カリフォルニア州は6年連続の渇水中で、実際に統合水管理を統括している当事者の話は貴重だ。水計画2013年はうまくいっていない部分もあり、知事の行動計画とも整合させながら、どう水資源を管理していくかが課題」などと解説。



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吉谷教授の司会で行われた質疑応答は、予定の終了時間を超えて2時間近く行われ、地下水を含めた水収支の計算方法、GWB(地下水バンク)の実践の難しさ、メキシコとの国境を挟む水管理の難しさ、再生水の直接飲用の見通しなどの話題が取り上げられました。

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