バイオカラーサイエンス
syllabus

科目名 バイオカラーサイエンス
教員名 安永 秀計
単位数 2
開講学期 1年2年 第3クオーター

授業のねらいと概要

身の回りにある人工物はそれぞれ固有の色をもっている。その色は人間が着けたものである。一方、自然界にある生物そのものも含めた天然物も固有の色をもっている。生物がなぜ「色」の元になるものをつくりだし、色をもっているか、その理由についてはまだほとんど解っていない研究課題であるが、生物に色を与えている構造や色素物質について明らかになっていることも多い。
 そこで、この講義では生物や天然物質の色についての理解を深めることを目的とする。先ず、「色」とは何かについて考える。そして、色の発現機構・構造色・色素物質について学ぶ。さらに、生物が色をもつことの利点・色の機能性・天然物質を原料とする着色材料・バイオベースマテリアルとしての機能性色素について解説・議論する。

また、受講生各自が課題について調査を行ない、発表を通してバイオカラーの理解をより深める。

授業計画

  1. バイオ高分子の物理・化学
    生体由来高分子の構造・運動・化学・性質に関しての基礎の復習。
    分子量・分子量分布・コンホメーション変化・慣性半径・拡散・化学構造・合成・高分子の化学反応・化学修飾など。
  2. バイオ高分子の性質
    天然繊維・被染色材料の種類・構造・性質について。
  3. 色とは何か
    色の本質・性質。色が現れる機構。色と光と観測者。
  4. 色の物理
    光の物理(波動・粒子)。量子力学。光の性質(反射・屈折・散乱・回折・干渉)。スペクトルと光の色?光源色と物体色。色素と構造色。
  5. 色の知覚と定量法
    視覚について。眼球の構造。生体内の色素。色覚に関する情報伝達。神経伝達系。色を知覚する機構。脳の話。
    色を表すパラメーター。色相・明度・彩度。色の定量法の基礎。三原色説。色彩測色法。XYZ三刺激値。等色関数。
  6. 表色系・色合わせ・測色法
    CIExy色度。CIE L*a*b*表色法。XYZ三刺激値からの表色パラメーターへの変換と計算方法。色立体。RGBとL*a*b*。アイソメリズムとメタメリズム。三原色。混色理論。加法混色と減法混色。色合わせ(colour matching)の考えかた。染料混合による色合わせの実践。CCM。色差計算法。分光反射スペクトル。クベルカ‐ムンクの理論。K/S値の計算。測色法。測色装置。
  7. Biocolourant(Ⅰ)
    生物色素の由来と種類・生物色素の機能と性質。(1)
  8. Biocolourant(Ⅱ)
    生物色素の由来と種類・生物色素の機能と性質。(2)
  9. Biocolourant(Ⅲ)
    生物由来物質を原料とした色素・染料の合成とその性質。バイオベースマテリアルとしての機能と特徴。
  10. 課題発表(Ⅰ)
    学生発表(1)質疑応答。補足解説。講評。
  11. 学生発表(Ⅱ)
    学生発表(2)質疑応答。補足解説。講評。
  12. 学生発表(Ⅲ)
    学生発表(3)質疑応答。補足解説。講評。
  13. 学生発表(Ⅳ)
    学生発表(4)質疑応答。補足解説。講評。
  14. 学生発表(Ⅴ)
    学生発表(5)質疑応答。補足解説。講評。
  15. 講義のまとめ
    バイオベースマテリアルと色についての考察とまとめ。

成績評価方法

①出席率、②講義中に提示する課題の調査と受講生の発表内容、③質疑応答内容、を採点して成績評価する。欠席回数に応じて減点し、講義中の質問・意見等の発言回数に応じて加点して成績に反映させる。

質問、相談への対応

 

学生へのメッセージ

 

教科書・参考書

必要に応じて配布あるいは指示する。

備考

受講に当たっての留意事項
出席を重視する。また、講義中の質問・意見等の積極的発言を期待する


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