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氏名:杉原伸宏

所属・役職:副学長、学術研究支援本部長・教授

研究開発マネジメント従事年数:25年

信州大学勤務年数:25年

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Q1. 現在の主要な業務と役割を教えてください。

A1. 信州大学における研究開発マネジメント業務歴は25年を超え、業務範囲も比例して拡大しています。ただし原点として、この業務に関わり始めた当初は医学系に属していたため、その時から大学では、基礎研究から実用化(患者さんに届ける)までを総合的にマネジメントする必要性を理解していました。そのため現在でも、URA組織全体のマネジメントをベースに、最も社会・産業寄りの副学長(新産業創出、スタートアップ担当)としての業務から、研究基礎基盤の強化を担当する学術研究支援本部長としての業務までを担っています。

Q2. 信州大学で研究開発マネジメント人材として働く前は、どのような経験やバックグラウンドがありましたか?

A2. 信州大学大学院工学系研究科で博士号を取得した後、ポスドク時代に既に、研究だけではなく、大型競争的資金の申請書作成や国際シンポジウムの企画運営に主体的に携わりました。2000年に信州大学大学院医学系研究科に教員として着任した際も、まったくの新設講座であったため、研究や環境整備の資金が皆無で、自ずと経産省系、文科省系、厚労省系の外部資金獲得と、採択後のプロジェクトマネジメントに相当なエフォートを割いていました。当時は国立大学法人化の前で、大学内に外部資金獲得はもとより、契約や知財に関する支援部署すらなく、全て自分で担う状況でしたため、自身にこれらの知識やノウハウが蓄積され、片や2004年に迫る国立大学の法人化に対しては、このままでは大学全体として対応に乗り遅れる危機感を抱いていました。

一方で、医学系部署の中で、自身は希な工学系の出身であったため、長野県内に広く蓄積する精密技術を活かした「ものづくり企業」が医療関連機器分野に進出を希望して、信州大学医学部や附属病院に相談に来られた際の窓口を担っており、医工連携支援の先駆けとして、大多数の新規参入企業に共通する課題と解決策を自身なりに導出していました。

Q3. 研究開発マネジメントの仕事を志したきっかけを教えてください。

A3.国立大学が法人化する以前、大学内に外部資金獲得はもとより、契約や知財に関する支援部署すら無い中、経産省系、文科省系、厚労省系の外部資金獲得と、採択後のプロジェクトマネジメントに従事した経験から、法人化後には、信州大学の現状にマッチした支援体制の構築が必須だと痛感していました。そこで、当時の執行部等と直談判し、法人化に併せて研究・産学官連携サポート部署の担当に学内コンバートしてもらい、信州大学における研究・産学官連携サポート体制の構築に初期から関与しました。

Q4. 信州大学での業務の中で、これまでに挙げた具体的な実績・成果を教えてください。

A4. これまでの実績成果は、大きく2つに大別されます。

1つ目は、自身での企画・関係者調整、申請書作成及び採択後のプロジェクトマネジメントの実績です。特に、個別研究者の競争的資金の獲得支援ではなく、大学や関連企業・自治体と連携した拠点形成事業や、大学改革事業といった、大学の経営に直結する事業獲得に限定して紹介します。

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Q5.大学運営や研究戦略等に関わるなかで、研究開発マネジメント人材の強みをどのように感じますか。

A5. 研究開発マネジメント人材は、俯瞰力、情報収集・分析力、企画力、調整力、実行力等のマネジメント能力と、学術・研究や産業動向に対する広範な知見が求められます。これらを高いレベルで保有できれば、大学での研究開発マネジメントだけではなく、企業や自治体でも活躍でき、スタートアップの創業にも役立ちます。今よりも多くの人材がこれらのスキルを身につけることが、我が国の大きな発展に繋がります。

Q6. 若手や後輩を育てるうえで心がけていることを教えてください。

A6. 何より高いモチベーションが重要です。そのため、信州大学ではキャリアの長短に関わらず、研究開発マネジメント人材は基本的に大部屋で執務を行い、周囲のハイレベルな活動を目の当たりにして貰います。活躍し、成功している人材を身近に見ることが何よりの刺激です。

一方で、何事も向き不向きがあります。研究開発マネジメント業務にも適性があり、かつ相応の学習や努力が不可欠です。適性を見極めつつ、OJTを行い、スキルレベルに応じて、業務を任せていきます。その上、多数の研究開発マネジメント人材同士の業務理解やコミュニケーションの場を高頻度で設けており、各自の学習や努力の不足や偏りを気づけたり、お互いに相談できるようにしています。

Q7.これからの大学で、研究開発マネジメント人材にはどのような役割が求められていくと思いますか。

A7. 今後の大学は、更なる知の集積や多様な人材の育成・輩出が期待され、未来社会における重要な構成組織となります。こういった大学の進化速度を左右するのが研究開発マネジメント人材です。優れた研究開発マネジメント人材が多数活躍する大学は、その進化も早く、社会への貢献も多岐にわたります。さらに、発展した社会からの益々の要請に応えることで、大学の進化が一層加速する好循環が生まれます。

皆さんも研究開発マネジメント人材として次代に繋がるロールモデルを描きませんか?