附属図書館が所蔵している「小谷コレクション」に故小谷隆一氏にまつわる資料が加わりましたのでご案内します。
「小谷コレクション」は、旧制松本高等学校(信州大学の前身校の一つ)を卒業した小谷隆一が蒐集した8,000点を超える貴重な山岳図書で、2003(平成15)年に附属図書館に寄贈され、中央図書館2階の特別展示室に収蔵されています。小谷は、中学時代の恩師のもとで登山の薫陶を受けて以来、松本高等学校や東京帝国大学でも山岳部に属し、山へと傾倒を深めました。家業を継ぐ傍ら、カラコルム・ディラン峰遠征の隊長を務めるなど本格的な登山へと進み、一方で山岳図書の収集にも努め、山岳図書収集家の小林義正の高嶺文庫を引き継いで一大コレクション「小谷コレクション」をつくりました。
2025年秋、ご長男の小谷達雄氏より、父隆一氏の少年時代からの多数の写真や直筆原稿をはじめとする、230点に及ぶ貴重資料が寄贈されました。このたびの寄贈は、2024年度に開催の大学史資料センターの企画展「小谷隆一生誕百年回顧展 -山を登り、山を読み、山を慈しむ-」において、ご親族から資料提供のご協力をいただいた経緯から、寄贈の依頼を受け実現したものです。小谷氏の人生と人柄を身近に感じられる資料であり、実際に企画展において展示したものも含まれています。
(写真:小谷達雄ご夫妻)
「小谷コレクションの展示室にて」(2025年10月31日)
※資料の閲覧をご希望の方は、事前に附属図書館にお問い
合わせください。
~寄贈された資料の一部~
『山脈帖』(附属図書館 蔵)
小谷隆一が松本高等学校を卒業するときに記念に恩師や友人たちから惜別の言葉を書き留めてもらった思い出のノート。(Web版では、望月市恵先生、斎藤宗吉(北杜夫)、辻邦生の書を紹介しています。)
「小谷アルバム『1965ディラン』」より(附属図書館 蔵)
小谷(41歳)は隊長として、京都カラコルムクラブのメンバーとともにカラコルム・ディラン峰(7,273M)に挑みます。こちらはアルバムからの一枚で、このほかにも自身のカメラで撮影した多くの写真があります。写真は、青空に聳えるディラン峰と山でもお茶を点てた小谷、それを頂戴している北杜夫(左下)です。北は、小谷に引き抜かれこの遠征にドクターとして参加しました。この遠征をもとに描いた小説が、北杜夫著『白きたおやかな峰』です。![]()
『山なみ帖 その後』(小谷隆一著)の「私のコレクションとその結末」の直筆原稿。(附属図書館 蔵)
自慢のコレクションへの愛情とそれを手放すことへの葛藤が伝わります。このほか、自著の原稿や所蔵する山岳図書の書評、雑誌などへの投稿など、直筆の原稿が多く残されています。
