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第3回「信州イノベーション大賞」表彰式

表彰式:2008年2月15日(金)
会場:ホテル国際21 3階 千歳の間

 信州大学イノベーション研究・支援センターでは、県内の革新的な技術や地域連携の取り組みに功績があった企業・団体を、5分野を設け毎年表彰しております。既存の枠組みにとらわれないイノベーティブなアイディアを評価し、信州の次世代の発展へとつないでゆく励みとなればとの期待を込めています。

アントレプレナー賞 株式会社マスターマインド(塩尻市)

概要

 1993年(平成5年)大手電気機械メーカーから小沢氏が、8名の従業員を率いてスピンアウトし創業。
多目的特殊プリンター、電子情報通信・情報処理装置(FD、CD-R、DVD他)等、自社製品の設計開発・製造・販売を手がける。

授賞理由

 市場ニーズに対応し、ニッチ分野における「オンリーワン企業」を目指して、木製品、金属製品、ガラス製品、樹脂製品をはじめ、布地や食品等の「あらゆる素材、立体物に対応する印刷」に挑戦する提案型ベンチャー企業。高度な技術力と独創性の高い製品に加え、戦略的な知財マネジメントを武器に、国内のみならず、海外における売上を伸ばし、急成長を遂げている。
地域資源のプロモーションやブランド化戦略の具現化には不可欠である特殊な印刷技術を、業界の様々なニーズに応じて、企画・提案を行っており、国内外のニッチ市場におけるマーケットリーダーとして、新規開拓の観点からも更なる飛躍が期待される。

地産こだわり賞 長野興農株式会社(長野市)

概要

 創業 1964年(昭和39年)
りんご・トマト・桃など信州の豊かな自然で育った原料(素材)のおいしさをそのまま引き出し、果汁100%にこだわった商品づくりを進めている。

授賞理由

 りんご原料を破砕・搾汁する工程を密閉し、連続的に搾汁する特殊な技術を日本で最初に実用化(1994年日本果汁協会技術賞受賞)し、平成19年度園芸特産振興展園芸加工品類品評会において農林水産大臣賞を受賞するなど、地域資源である「長野県産りんご」の加工価値を高めた。
また、これら独自技術を活用した製品実績が先駆けとなり、日本農林規格(JAS)の新規格である「りんごストレートピュアジュース」の制定(平成19年10月)に協力し、新しい製品の概念の創出に貢献した。

地域ブランド発信賞 諏訪圏工業メッセ(諏訪地域)

概要

 2002年(平成14年)に、諏訪地域の産業集積を活用したワンストップソリューションの実現や、会場は「ものづくり発祥の地」である大型工場跡地を活用したリノベーション的なアプローチで第1回の「諏訪圏工業メッセ」が開催された。諏訪圏工業メッセを核に、地域産業の振興・次代人材育成・ネットワーク形成の場として、諏訪地域産業イノベーションの一翼を担っている。

授賞理由

 諏訪地域の基幹産業である製造業の受注拡大と技術深耕や産学官の連携を図るため、諏訪地域6市町村の官民(企業、行政、商工団体等)が一体となって「諏訪圏工業メッセ」を開催しており、国内の一地方としては最大級の「工業専門展示会」に成長している。
メッセ開催の波及効果として各種の研究会や産産・産学連携等の新たな動きが誕生している。
諏訪地域の切削、プレス、電子、金型等多様で高度な技術を有する産業集積のポテンシャルを活かして、さらに高付加価値を持つビジネス・産業・ものづくり・技術・サービス等を創出し、「世界のSUWA」ブランドの実現に努めている。

地域づくり賞 大鹿村観光協会(大鹿村)

概要

 研究所や行政機関等によるジビエの品質と安全性を研究したデータを基に地元の業者が細心の注意を払ってジビエを解体し食肉を提供している。ニホンジカによる農作物被害が問題になる中、人と自然との共生問題を背景に観光協会、行政機関がニホンジカ肉を有用な資源として活用を始めた。

授賞理由

 南アルプスの山麓に位置する大鹿村は、人口1千3百余人、老齢人口割合49%、長野県内第2位と高齢化が進んでいる山村である。江戸時代から伝わる大鹿歌舞伎(春・秋)の上演や、標高750mの山奥で採れる山塩、県下で始めて手がけたブルーベリー等で多くの観光客が訪れている。
また、村内では、ニホンジカの生息数が大きく増加し、甚大な農林被害が発生し、自然環境問題、人と動物との共生問題の解決に向けジビエ(野生獣肉)料理を観光資源の一つとして位置付け、特色豊かなメニューを提供する飲食店や旅館等を紹介する「大鹿ジビエガイド」を制作しPRに努め、大鹿村特有の伝統文化や自然の恵み等を活用しながら意欲的な地域づくりに努めている。

学生社会起業家賞 信州大学経営大学院 北條友裕氏(長野市)

概要

 創業 平成17年4月1日
液体濃縮装置「水太郎」の製造販売を目的に創業。

授賞理由

 北條友裕氏(信州大学経営大学院生)は、自ら開発した液体濃縮装置「水太郎」の社会福祉施設での活用を目指して、有限会社S.I.D.を設立し営業活動を展開中である。
北條友裕氏の事業構想に関しては、昨年度の日刊工業新聞社主催キャンパス・ベンチャー・グランプリにおいても高く評価されているが(第三回キャンパス・ベンチャー・グランプリ東京、優秀賞及びソーシャルアントレプレナー特別賞)、今年度は、その構想を具体化し、全国数ヶ所の福祉施設に「水太郎」を導入するなどの取り組みを行っており、今後の成果が期待される。

授賞式風景