信州ブックレットシリーズ6電子書籍版
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に発明されました。第一次世界大戦をとにかく長引かせた原因の一つは、このハーバー・ボッシュ法による火薬製造です。それまでは、硝石をチリから輸入し製造するしかなかったため、海上封鎖されて輸入ができなくなったことから、国内で作るために発明したわけです。当然、単価は大変高かった。それが技術革新と大量生産で安くなり、1950年ぐらいから肥料にも使えるようになったということです。 ただ、それ以外にも農作物の生産で考えなければいけないのが水です。スライド29はまたAR5のデータです。淡水の利用可能量の変化を予測していますが、マイナス50%と予測がされている地域があります。幸いにして、そのような地域はそれほどの耕作地帯ではないのですが、これを見ると、スペインの農業、フランスの農業は危ないですね、ブルガリアのヨーグルトも厳しいかもしれませんね。 ところでスライド30の写真、これはアメリカのカンザス西部の農地です。なぜか農地がみんな丸い。この理由はお分かりですよね。要するに、地下水をくみ上げて、それを一種のスプリンクラーで散水しています。200メートルぐらいのアームが回っているわけですね。 これは地下水があるからで、地下水は何かというと、普通の地下水ではありません。ここは、オガララ帯水層という化石水であるのです。スライド2831020,000,00040,000,00060,000,00080,000,000100,000,000120,000,000140,000,000194019501960197019801990200020102020Nitrogen Fixed Metric Tonsハーバー・ボッシュ法によるアンモニア生産十分な食料は豊かさ=>ヒトは1950年以降、飽食を実現したが、他の野生動物は、常に、飢えている。化学肥料硫安硝安32http://www.ipcc.ch/pdf/assessment-report/ar5/wg2/WGIIAR5-Chap3_FINAL.pdf淡水の利用可能量の変化IPCCAR5WG2スライド2930

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